社会人の常識 ?
会社員のみなさんは、昼休みに、保険のおばさまが来ますよね。
そこで、保険の勧誘があります。
多くのみなさんに、生命保険に加入していただいております。
この言葉を受けて、多くの方は生命保険に加入しますよね。
でも、冷静な社会人さんは、
ぼくは、結婚もしていないし、子供もいないから、僕が死んでも誰も困らないよなー。
生命保険は必要ないかなー。
保険のおばさまにとって、こんな回答は想定内。今度は、
それなら「個人年金保険」という商品がありますが、いかがでしょうか。
若いみなさんは、将来、年金がいくらもらえるかわかりませんよね。
そんな老後に備えるために、独身の方でも、多くのみなさんが加入されています。
たしかに、老後の備えは必要だよね。
検討してみようかなー。
こんなやりとりで、個人年金保険を検討される方が多いと思います。
個人年金保険のメリット ?

保険屋さんが提示する個人年金保険のメリットは、こんな具合だと思います。
- 元本割れしない
- 積み立てたお金が定年退職後に増えて戻ってくる。
- 銀行に預金してもほどんど利息がつかないが、個人年金保険では確実に利息がつく。
- 税金が安くなる
- 毎年お金を積み立てることによって、給料から引かれている税金の一部を取り戻せる。
- 定年退職するまで、毎年、節税できる。
- 万が一、亡くなった場合には、家族に、給付金がある。
- 定年退職前に亡くなってしまった場合は、家族に給付金がある。
とても、魅力的な商品に見えてきましたよね。
でも、これって、本当に魅力的なのでしょうか?
個人年金保険は本当にお得でしょうか?

具体例で考えてみましょう。
大手生命保険会社のN生命の個人年金保険の実例(2024.06.24現在)で考えましょう。
・30歳男性が加入
・31歳から65歳まで、毎月の支払額は9,998円(総支払額 = 419.9万円)
・65歳から74歳まで、毎年442,200円受け取れる。(受取額合計 = 442.2万円)
この差額は、
442.2万円 - 419.9万円 = 22.3万円
22.3万円の利息を得られることになります。
419.9万円の支払いに対して22.3万円の利息
割合でいうと、22.3万円 ÷ 419.9万円 × 100 = 5.3%
5.3%の利息! すごい!
金融機関の金利がたった0.02%という時代に、5.3%の利息、かなりお得に見えますね。
でも、これって本当にお得でしょうか。
金利のマジック

金利という数字は、ふつうは、1年間のあたりの利息で考えます。これを「年利」といいます。
大手金融機関の金利が0.02%というのは、1年間あたりの金利が0.02%、つまり年利が0.02%という意味です。
では、さきほどの例(35年間、毎月9,998円を積み立てて、利息が22.3万円)について、1年間あたりの利息(= 年利)がどのくらいになるか計算してみます。
みなさんもお仕事で使っているマイクロソフトの「エクセル」で簡単に年利を計算できます。
エクセルで、IRR関数というものを使用して計算します。(詳細は別の機会に紹介しますね。)
さきほど示した個人年金保険の例で、私が計算した結果、
個人年金保険の金利(年利) = 0.23%
となりました。
35年間かけてやっと5.3%になるということであり、年利に換算すると、たったの0.23%です。
金利が5.3%だと思っていた方は、0.23%という数字を見て、がっかりしますね。
節税の効果は・・・
また、節税についても検証してみましょう。
毎月約1万円、年間12万円の保険料を支払った場合、所得税と住民税の控除額は、
- 所得税の控除額 =4万円
- 住民税の控除額 = 2万8千円
となります。
この「控除額」というのは、この金額がまるまる戻ってくるという意味ではありません。
所得(もらった給料)から、これらの控除額を引いたあとの金額に、税金がかかるということです。
一般的なサラリーマンであれば、結局のところ節税となるのは、年間7千円程度です。(年収1000万円の高収入サラリーマンの場合でも1万円程度の節税です。)
支払った保険料がまるまる戻ってくるとの誤解をされる方がいますが、残念ながらそうではありません。
個人年金保険の金利と同等以上の商品は簡単に見つかる

もし、個人年金保険の金利(=年利)が0.23%だということを保険屋さんにぶつけてみたとしても、おそらく、次のような回答が返ってくるでしょう。
今の、銀行の金利はせいぜい0.02%です。
それに比べて10倍以上の金利ですから、十分にお得だと思いますよ。
たしかにこの回答は間違いではありません。
でも、この個人年金保険の金利と同等以上の商品は簡単に見つかります。
例えば、
- 財形貯蓄(例:第一生命)・・・・・・金利 0.5%(2022年4月版パンフレット記載より)
- 個人向け国債 固定金利型5年満期・・・金利 0.59%(2024年6月24日現在)
こういった、元本割れリスクの小さい商品で、個人年金保険の金利を超える商品は簡単に見つかります。
超長期間の運用なら、もっとよい方法がある。それは株。

個人年金保険は、定年退職の時期まで、超長期間、運用を続ける商品です。
例えば、30歳で加入した場合、通常は、定年退職の65歳までの期間、つまり、35年間も、超長期で運用することになります。
こんな超長期間運用することができるなら、もっと良い方法があります。
それが株です。
株を買うという選択

株式市場は、短期間では、大きな変動があり、一時的に大きく損失を出すことがありますが、過去の経験から、長期的には成長する可能性が極めて高いです。
その理由をひとことで言うとすれば、「経済が成長し続けているから」ということになります。
例えば、
35年前はスマートフォンは存在しませんでした。
でも、今ではほとんどの人がスマートフォンを持っています。
スマートフォンの普及により、スマートフォンのメーカーだけでなく、関連するアプリやサービスの市場も拡大しています。
そして経済が成長していく。
例えば、
35年前は、高速道路が通っていなかった場所に、高速道路が開通する。
35年前は、新幹線が通っていなかった場所に新幹線が開通する。
そして、物流業界、観光業界が成長する。
そして、経済が成長していく。
超長期間では、こういった経済の成長が普通に起こるのです。
経済が成長を続ければ、市場全体の株の価格も上昇します。
オワコン!だと言われていた日本の株も、35年かけてバブル期のピークを越えることができました。
これも、経済の成長が大きな要因だということができます。
お金を増やしたいときに、超長期間にわたってお金を預けるのであれば、
それは、保険会社でも、国でもありません。
株式会社に預けるのです。
株式会社にお金を預けるためには、
株を買えばよいのです。
個人年金保険を解約して株を買う

現在、個人年金保険への加入を検討されている方、超長期間にわたって、お金を預ける相手をもう一度考えましょう。
現在、すでに、個人年金保険に加入している方、本当に、このままお金を預けっぱなしでよいか、もう一度考えましょう。
すでに個人年金保険に加入している方は、もし解約するとなると、元本割れ(損をする)になるかもしれません。
でも、考えようによっては、「すでに損をしている」と考えることもできます。
今後、得られる可能性が高い利益を捨てて、現状維持とするのは、よいとは思えません。
それは、今後、さらに損をするということです。
損を最小限にするためにも、個人年金保険を解約してしまいましょう。
個人年金保険を解約した現金で、株を買う。
個人年金保険に加入したと思って、支払うはずだった現金で、株を買う。
こんな選択肢があることを知っておいてください。